「この仕事で、子どもたちの小さな変化を間近で見られる喜びは何ものにも代えがたいです。」
重症児デイ Hütte・HütteKinder(ヒュッテ・ヒュッテキンダー)で働く作業療法士の原さん。回復期リハビリテーション病棟での経験を経て、重症心身障害児支援の現場に飛び込みました。「家族のような温かい環境」で感じたやりがいや、子どもたちと向き合う中で得た学びについて伺いました。
「お家」のような温かさ
質問:職場の雰囲気について教えてください。
原:ヒュッテ・ヒュッテキンダーは、他の施設にはない独特の温かさがあります。私が一番年齢が下なのですが、周りの先輩たちはみんな“お母さん”のような存在です(笑)。困ったことがあればすぐに助けてくれますし、日常的に「これ食べる?」と食生活にも気遣ってくれたりするんです。施設全体としても「実家」にいるような安心感があるんですよね。これはスタッフ一人ひとりの性格やキャラクターが生み出すものだと思いますし、自由な雰囲気を大切にする施設長さんの方針も大きいと思います。
施設長さんが、「その子にあった支援を自由にやることで、それがその子のためになる支援につながる」と言ってくれるので、安心して意見を出せます。スタッフ全員が「この子にとって何が一番いいか」を考えて動ける環境なんです。本当に働きやすいです。職員同士が支え合いながら、自由に意見を出し合える環境です。「その子にとって一番良いことをしよう」という気持ちが自然と共有されているのが素敵だと思いました。
「その子に合ったリハビリを」─原さんの日々の業務
質問:日々どのような業務を行っていますか?
原:私の業務の中心は、作業療法士として利用児に合わせたリハビリ計画書の作成とリハビリの実施です。リハビリ計画書は半年ごとに更新していて、お母さんの希望や日々の様子をもとに、その子にとって必要なリハビリを提案しています。たとえば、寝たきりの子には座位の姿勢を取るリハビリ、少し歩行ができる子には歩く練習や体を動かすアクティビティを提供しています。現場での仕事として、食事介助やおむつ替え、見守りなども日常的に行っています。リハビリ職としてだけでなく、子どもたちの日々の生活を支える役割も大切にしています。
「子どもたちの小さな変化を見逃さない」─業務で意識していること
質問:業務で特に意識していることはありますか?
原:子どもたちの表情や体の緊張など、言葉にならないサインを見逃さないように心がけています。重症心身障害児の多くは言葉を発することが難しいので、泣き方や表情、体の動きなどから何を伝えたいのかを感じ取ることが重要です。
小さな変化を引き出すリハビリ支援
質問:リハビリでは具体的にどのようなことをされていますか?
原:普段寝たきりの子が座れるようになる練習や、歩行の練習などを行っています。また、遊びを通して発達を促す活動も取り入れています。例えば、ある子どもに座る練習を提案した際、その子は普段寝たままの生活が多かったのですが、座らせてみるととても嬉しそうに笑ってくれました。そこから発語も増え、以前のように活発な姿が少しずつ戻ってきたんです。
感動した瞬間─「通じるんだ」と気づいた日
質問:子どもとの関わりで印象に残るエピソードを教えてください。
原:ある日、いつも反応が少ない子が突然「わーっ」と声を出してくれたんです。それまで私が話しかけても無反応だったのに、まるで「あなたの声が届いているよ」と言ってくれたように感じました。その瞬間、言葉だけではないコミュニケーションの力を実感しました。もう一つ印象的なエピソードとして、親御さんからの感謝の手紙をいただきました。その手紙には「成長をいつも一緒に応援して下さり、丁寧に様子をみて下さり、ありがとうございます。」と書かれていました。私の支援が確実に届いていると感じられる瞬間は、何度経験しても嬉しいものです。
成長の実感─「視点が広がった」
質問:仕事を通じて成長を感じた点は?
原:病院では言葉でのコミュニケーションが中心でしたが、ここでは表情や体の緊張感、泣き方の違いなど、言葉以外のサインを読み取る力がつきました。人を診る視点が広がったと感じています。また、自己研鑽の機会が増えました。新しい分野に挑戦する中で、参考書を読んだり、外部の研修に参加したりと、自分を磨く時間が増えました。
療育の定義─「その子に寄り添う支援」
質問:原さんにとって「療育」とは何ですか?
原:療育とは、その子に合った方法で、未来につながる支援を提供することだと思っています。感覚遊びやアクティビティを通して、子どもの可能性を引き出すことが療育の本質ではないでしょうか。正解がない分、常にその子に寄り添いながら一緒に考えていく必要があります。それが難しくもあり、この仕事の魅力でもあります。
また、作業療法士って最近は高次脳機能障害や療育という分野と結びつきが強くなってきていると思います。作業療法士は国家資格として幅広い場面で活躍できる職種ですが、特に療育の現場では、そのスキルを活かせる場面が多いと感じます。
転職希望者へのメッセージ
質問:重度心身障害児支援へ転職を考えている人にメッセージをお願いします。
原:子どもが好きな方はもちろんですが、福祉に興味がある方ならどなたでもこの仕事にやりがいを感じられると思います。特に「自分のやりたいこと」が明確な方には、多くの挑戦のチャンスがある職場です。まずは見学に来てください。施設の雰囲気を見てみてほしいです。きっと「お家」のような温かさを感じていただけると思います。職員同士も支え合える環境なので、新しい職場に不安がある方や、障害福祉の仕事が未経験の方でもきっと安心してお仕事できるはずです。
まずは施設見学にお越しください
「この仕事は、子どもたちの未来をつなぐ素晴らしい役割だと思います。」と語る原さん。
原さんの言葉から、障害児支援の仕事の魅力や可能性を感じていただけたでしょうか?まずは現場を見てください。その一歩があなたの未来を変えるきっかけになります。
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